ダイナミックプライシングとは? | ダイナミックプライシングテクノロジー

ダイナミックプライシングとは?

ダイナミックプライシングとは

ホテル

ダイナミックプライシングとは需要と供給に応じて動的に価格を変更することです。

例えばホテルでは土曜日の宿泊料は平日火曜日と比較して高くなる傾向があります。

また、飛行機の航空券の場合だと、ゴールデンウィークや年末年始のチケット代は高騰しがちです。

これはホテルの部屋数や飛行機の座席数の供給量に対して、利用者の需要量が多い場合に起きます。

ダイナミックプライシングではこのように需要過多時は通常価格より値上げして利益を最大化します。

翻って、部屋や座席が余り供給過多の場合、値下げして供給量を増加させて利益アップを目指します。

このように需給バランスに応じて価格を動的に変動することをダイナミックプライシングと言います。

価格を変更する頻度は業界や事業会社によって千差万別です。

米国Amazonは1日数百万回価格を調整しているという調査報告もあります。(注1)

ところで、なぜ最近はホテルや航空券以外の業界にもダイナミックプライシングの導入が進行しているのでしょうか。

それは、データドリブン経営の進展、ホテルや航空券の成功事例、労働者減少に対する効果的ソリューションの利用、人工知能をビジネスで活用できる環境が整備された時代になったことなどが挙げられます。

参考文献 (注1)

“Profitero Price Intelligence: Amazon Makes More than 2.5 Million Daily Price Changes.” Profitero, Dec 10, 2013
https://www.profitero.com/2013/12/profitero-reveals-that-amazon-com-makes-more-than-2-5-million-price-changes-every-day/

ダイナミックプライシングの最新導入事例

ダイナミックプライシングとは

わたくしは日々ダイナミックプライシングに関するニュースをウォッチしていますが、こんな業界にも応用できるものかとその影響度を肌で感じています。

次に挙げるダイナミックプライシングの導入事例は実証実験(PoC)のものから実運用に至るまでできるだけ多くピックアップして、日々新しい事例を更新する予定です。

ご参考になればと思います。

スーパーマーケット- Albert Heijn(アルバート・ハイン)

オランダ最大級のスーパーマーケットチェーンのアルバート・ハインはイスラエルのダイナミックプライシング開発のスタートアップWasteless(ウェイストレス)と共同で人工知能(AI)を用いたダイナミックプライシングの実証実験を2019年5月からスタートさせました。

目的は食品の廃棄ロス削減。売れ行きや天候・賞味期限・来店数・在庫数などの情報をもとに電子値札の表示価格を動的に変えています。

我が国でもスーパーマーケットは13兆円の巨大産業です。ここに電子値札のダイナミックプライシングが来る日はそう遠くないです。

実際九州を中心にディスカウントストアなどを展開するトライアルホールディングスではすでに導入が始まっています。

経産省主導の「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」もダイナミックプライシングを意識しています。

Jリーグやプロ野球のチケット

ホテルとエアチケットの次にHOTな領域はスポーツやコンサート観戦チケットです。

これは球場やスタジアムは箱物サービス+期限があるからです。

つまり供給側に箱という物理的な制約があり、かつ時間という期限がある場合、ダイナミックプライシングは事業会社にとって効果的に作用することが多いです。

この法則にしたがえば他業種にダイナミックプライシング導入の可能性が見えてきます。たとえば、レンタカー、駐車場などですね。

家電量販店-ビッグカメラ

家電量販店は消費者にとって身近な場所ではないでしょうか。ダイナミックプライシングの波はもうここまできています。

家電量販店大手のビッグカメラは全店にダイナミックプライシングを装備した電子棚札を2021年8月期までに設置する方針を固めています。

東京町田店で実証実験をして費用対効果が見込めると判断しています。

ヤマダ電機のダイナミックプライシング導入は序章に過ぎなく競合店のヨドバシカメラやヤマダ電機、エディオンなども追従することは容易に想像できます。

ECサイトの価格戦略ツール-throough(スルー)

ダイナミックプライシングツールのthroough(スルー)
主要ECモールに低価格で導入可能な
ダイナミックプライシングツールの
throough(スルー)

手前味噌でございますが、最後は当社が運営するネットショップ事業会社向けのSaaS型ダイナミックプライシングツールです。

throough(スルー)では商品の価格戦略に応じた独自のアルゴリズムが複数用意されています。例えば過剰在庫を処分したい場合だと在庫処分モデルを利用し、定番商品であれば利益最大化モデルを利用することができます。

eコマース事業会社では取り扱う商品が数千~数万になることも多くそのすべての商品に対して価格を見直すのは至難の業です。

throough(スルー)を開発した当社では実際にネットショップを運営している関連会社の協力のもと日々高速で実証実験を行っております。

素早いフィードバックとシステム改善でネットショップ担当者に喜ばれるツール運営を目指しております。


▼ダイナミックプライシングツールのthroough(スルー)公式サイト
https://throough.com/
throough(スルー)は楽天・yahooなどの大手主要モールにも対応しており費用も「低価格」で導入する事が可能ですので予算の限られた企業様でもお手軽にダイナミックプライシングを導入する事ができます。

ダイナミックプライシングを実現するアルゴリズムとは

アルゴリズム

ダイナミックプライシングというと難しく聞こえるかもしれませんが、中のシステムで行っていることは自社やその他データの収集、需要予測、価格弾力性を考慮した価格テーブルの運用の組み合わせです。

この中で人工知能(AI)のアルゴリズムを存分に利用するのは需要予測。そのアルゴリズムは次のようなものがあります。

線形回帰分析

推定したい数値をほかのデータで計算するルールを学習するアルゴリズム

SVR(Support Vector Regression)

説明変数の値を関数で加工したものを自動生成しながら目的変数を推論するアルゴリズム

ベイズ線形回帰

線形回帰にベイズ確率の考え方を取り入れたアルゴリズム。

従来の確率が「現象によって決まる」というものに対し、ベイズ確率は「確率は個人の主観によって変わる」という立場で考えた確率のこと 。

ランダムフォレスト

「決定木」と呼ばれる予測モデルを複数組み合わせたアンサンブルアルゴリズム 。

ダイナミックプライシングのメリットとデメリットと課題

ダイナミックプライシングを導入するにあたり事業会社は自社のメリット・デメリットを考えるだけでなく、消費者の効用も一緒に考える必要があります。

事業会社

メリット

  • 需要過多の場合、値上げして利益を享受できる
  • 供給過多の場合、値下げして利益を享受できる
  • 人的価格変更フロー(競合調査、自社情報収集、分析、会議、稟議、価格変更など)を省略できて、陳列や接客、分析・企画などの作業に集中できる

デメリット

  • ダイナミックプライシングシステム開発費
  • 電子値札の導入費もしくは開発費
  • 最適価格の精度
  • アルゴリズム運用コスト

消費者

メリット

  • お金を払えば欲しいモノやサービスを体験できる
  • 閑散期には通常より安い価格でモノやサービスを体験できる

デメリット

情報の透明性や正当性を検証する思考活動の煩雑さによる買い控え

また、次のような課題や検討事項もあります。

  • 現場の価格変更フローの変更。組織が大きければ大きいほど大変
  • LTV(ライフタイムバリュー)を意識した経営活動。単発ダイナミックプライシングによる利益向上ではなく、ロイヤルユーザー・リピーターの連続した消費行動を考慮した値付け
  • 消費者の理解
  • これまで価格決定に関わってきた人員の再整備(労働者が減少しているから好機でもある)

ダイナミックプライシングは必ず利益が上がる魔法のツールではない

ダイナミックプライシング導入について

これまで当社ではダイナミックプライシング導入について様々な業種の会社とディスカッションしてきました。担当者と話して実感したことを書いて締めさせていただきます。

当社にお問い合わせいただき打ち合わせしたお客様はほぼ経営層の方々でした。なぜか。

それはダイナミックプライシングが価格を変動させるツールだからです。

消費者が最も敏感になる価格を動的にはじき出すツールの導入検討においては一部門の担当者ではなく、経営層の理解やコミットメントが必要です。

そこでお伝えすることは、ダイナミックプライシングのシステムを導入すれば必ず利益が上がるということは言い切れませんということです。

そこには技術的な壁と現場の壁があるからです。技術的な壁とは人工知能(AI)の正確性です。

ダイナミックプライシングには需要予測や価格弾力性の探索など不確実な要素があります。もちろん一緒にこの取り組みをしていく会社には全力で人工知能(AI)の精度を上げる企業努力を行います。

しかしそれはデータとアルゴリズムと知恵の組み合わせが必要です。

次に現場の壁とはこれまでの慣習から脱却できない場合どれだけ良い精度が出たとしても現場の論理でシステムの導入することができない場合があります。

もしかしてそれは導入タイミングにより解決するかもしれませんし、消費者の行動によって変化するかもしれません。

当社はダイナミックプライシング開発のリーディングカンパニーを目指しています。それは事業会社(クライアント)の利益だけでなく、消費者も喜ばれるような仕組みの導入を目指しております。

それこそがクライアント企業存続のカギであると思っているからです。

ダイナミックプライシングの導入ご相談はダイナミックプライシングテクノロジーへ

株式会社ダイナミックプライシングテクノロジー
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株式会社ダイナミックプライシングテクノロジーでは、 ダイナミックプライシングのツール開発・受託開発を行っております。

ECサイトを運営する企業様向けに 大手主要モールに低価格で導入が可能なダイナミックプライシングツールのthroough(スルー)もご提供しております。

ダイナミックプライシングの導入やご相談は株式会社ダイナミックプライシングテクノロジーにお任せください。

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